フリッシェグラン通信

敏感な春の肌

十年ぶりとかの寒波がやってきた冬も終わり、すぐそこに春が近づいてきています。花が咲き乱れ、洋服も薄着となり、街全体が明るく、やさしい印象になります。しかし最近では、花粉症に悩む方が増えてきたため、春は憂鬱な季節と感じる方も多いと思います。特に肌には問題の多い時期となります。冬の寒さと乾燥に耐えてきた肌に、強くなってきた紫外線や、街の埃っぽさ、また花粉症による鼻づまりなどは、大きなダメージを与えます。春はどうも肌の調子が悪い。そう感じていらっしゃる方も多いと思います。そこで今回は、春先の敏感肌について考えてみたいと思います。

◆肌アレルギーの原因◆
アレルギーを引き起こす(アレルゲン)のは動植物の異種蛋白。これら異種蛋白は高分子なため、健康な肌だと侵入することはできません。しかし、小さな角質層の傷んだ部分から侵入して抗体反応を起こします。目や鼻孔などは角質層で守られてない粘膜部分から侵入します。これらの蛋白に抗原抗体反応を起こす人は、発症してしまうわけです。

◆肌トラブル発生のメカニズム◆
本来、肌には、紫外線や汚れ、肌に害を与える異物などの外的刺激から、体を守るバリア機能があります。特に皮膚の一番外側にあるわずか0.02ミリほどの厚さの角質層が皮膚のバリア機能を支えています。角質層は、死んだ細胞が20層ほど重なり、その細胞と細胞の間にNMF成分などの保湿成分や細胞間脂質が存在します。ちょうどレンガを20段ほど交互に積み上げ、そのレンガとレンガの間にNMFなどの 保湿成分や細胞間脂質が、まるでセメントでレンガブロックを固定するかのように存在しています。レンガが整然と並んだ状態では、肌表面は潤いがあり滑らかですが、NMF成分や細胞間脂質が不足すると、所々でレンガがめくれ上がった状態となり、角質層の水分は失われます。また、角質層の構造が崩れ、バリア機能も低下します。

角質層の構造が崩れると、その隙間から刺激物質や異物が進入しやすくなります。
皮膚の免疫細胞は体を守るために、こういった刺激物質や異物の侵入に対し攻撃を始めます。この攻撃が肌表面ではカブレや炎症などとなって現れます。特に春先は体そのものがある種の緊張状態にありますから、普段以上にこういった現象が発生しやすくなります。

また、こういった刺激物質や異物の侵入に対応するために、表皮最下層の基底層でどんどん新しい細胞をつくり角質層へ補おうとします。そのため、普通はほぼ28日間で行なわれる新陳代謝(ターンオーバー)の周期が、急激に短くなってしまいます。短期間で角質層へ押し上げられた細胞ですから、形も機能も不完全な角質細胞が角質層に並ぶことになってしまいます。角質細胞が、レンガブロックが積み重なったように、きちんと並ぶはずの角質層の構造はますます乱れていまいます。また、ターンオーバーの途中で生成される細胞間脂質やNMFなどの保湿成分も少なくなります。このようになると、皮膚はどんどん乾燥し、角質層のバリア機能はさらに低下、さらに新陳代謝(ターンオーバー)が乱れ不完全な角質層を構成するという、悪循環に陥ってしまいます。刺激物質や異物も侵入しやすい状態ですから、慢性的な皮膚炎となってしまうこともあります。

◆症状が出ているときのお手入れ方法◆

1 正しい洗顔で、汚れを取り除く
この時期、花粉やホコリなどで外出したときの肌はかなり汚れています。しっかりとした洗顔が必要ですが、洗いすぎ、こすり過ぎは厳禁。水分の多いミルク状のクレンジング剤で、こすり過ぎないように丁寧にクレンジングします。その後は洗い流すだけ。石鹸やフォームでの2度洗いはバリア機能をさらに失われますので、注意が必要です。

2 お肌の水分を保持するスキンケア
化粧水での水分補給、水分の蒸発を防ぐクリームの塗布は必ず必要です。この時、なるだけ刺激の少ない化粧品を選ぶことが大切です。肌が敏感になっているので、いつもは何ともない化粧品でも反応が出ることも。化粧品を塗布して赤くなる、ピリピリするなど肌の反応がある場合は、使用を中止してください。

3 お出かけ前の紫外線対策をしっかり行う
紫外線は肌にとっては最も刺激になるもの。必ず紫外線対策をしてください。日焼け止めには刺激の強い紫外線吸収剤が含まれていることが多いので、刺激の少ない紫外線産卵剤の入ったものの使用をお勧めします。

4 週に2~3回のローションパック
鎮静、水分補給の目的でローションパックを行います。反応を起こして赤くなりがちな肌も、冷たい化粧水で鎮静できます。また、乾燥した肌の水分補給効果にも。コットンを水でぬらし、固く絞った後、化粧水をたっぷり含ませます。コットンを3つくらいに裂き、3分間、肌に密着するよう載せます。3分以上行うと、逆に肌の水分を奪うことになりますので、逆効果です。注意してください。

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