あなたの腸はうまく動いていますか?
女性にとっての悩みの一つとしてあげられるのが「便秘」。便秘だから肌が荒れる、便秘だから下腹部がポッコリ出ている。。。。そんな話も良く聞きますね。今回は便秘にかかわる身体の器官、「腸の働き」について書いてみたいと思います。
<腸の働き>
腸の働きは普段の生活であまり意識される事は少ないと思います。ですが、腸は人間の体にとってとても大切な部分なのです。小腸は全体の長さが約6メートルから7メートル、大腸は1.5メートルあります。この長い腸の中を蠕動運動という動きをしながら、食べ物を送って行き、小腸では主に栄養分を吸収し、大腸では主に水分を吸収して徐々に固形の便になって行きます。
この水分にも栄養は含まれています。つまり腸は腸自身が食べ物の存在を認識しきちんと先へ先へ送って行くように奥は開き、手前は萎むようになっています。さらに体に悪いものが入って来ると下痢を起こしすぐに排出する事が出来ます。腸は自らが判断して脳に左右される事なく、このような働きを毎日行っているのです。
腸をはじめとする消化器官は自律神経の副交感神経の働きに管理されています。自律神経には活動時に働く交感神経と、休養時に働く副交感神経の二つがそれぞれ交互に入れ替わりながら働きます。つまり、人間が活動している時は酸素の量や体温などを活動に合わせて交感神経がコントロールし、逆にリラックス時には次の活動に向けて新しいエネルギーを作るために副交感神経に切り替わり、消化器官を働かせ栄養の吸収などを行っているのです。
しかし、ストレス状態が続くと体は常に戦闘状態となり、交感神経が優位な状態が続きます。つまり、『副交感神経に切り替わらない→消化器官が働けない状態』となってしまうのです。しかし、人間はこのような状態でも食べ物を食べ続けるため、胃腸は働けず、上手く排泄されないので、食べ物はどんどん溜まってしまうのです。溜まった食べ物は腸の中で腐敗し、有害物質を発生させてしまいます。ストレスによって胃潰瘍や十二指腸潰瘍などになるのは、このような原理があるからです。
<腸と免疫>
人間の体全体には免疫がありますが、その70%は腸が担っている事はご存じでしょうか?
腸は、体の外から取り込まれた食物が通る道。ゆえに食物とともに取り込まれる細菌やウイルスなど、有害物質に常にさらされています。そのため、腸の粘膜には体の他の部分とは異なるユニークな免疫のしくみが備わっており、健康維持に重要な働きをしています。口から体内に入ってくるものには、「食品」と「病原菌などの体に不要・有害なもの」の二種類があるといえます。腸の免疫はよくできていて、体外から入ってくるものが、必要なものか不要なものかを見分け、不要なものに対しては免疫系が働き、体外に排除しようとします。腸は腸管に病原体が侵入してくると、体にとって有害であると認識し、体内への侵入を阻止したり、菌がつくる毒素に対して中和作用を示す抗体を粘膜に分泌し、体外へ排除しようとします。
<腸の機能不全>
多くの専門医が「文明国の病気の90%は胃と腸の機能不全に起因する」と表現したり、「腸の内容物の停滞と病気との関係」をはっきりと指摘している医師も出てきています。腸の末端はその大きさから見て理想的には8時間ごとに空になるべきなのに、習慣で内容物を24時間以上も貯留していることがあります。その結果が体の変調を起こし、潰瘍になったり最悪の場合はガンになったりするとも言われています。つまり、人間の健康には清潔な腸が必要なのです。胃や腸の不調だけでなく、虫垂炎、扁桃腺炎、肝臓・胆嚢の疾患、心臓・血管の機能障害、蓄膿症、関節炎、リューマチなどの症状は、間違いなく腸の機能の衰えに原因があると考えられています。
<腸の機能を回復するには>
●ヨーグルトや食物繊維を多く取り、いわゆる善玉菌を増やす。
●断食などで一度、腸の中を空にする。(医師との相談が必要です)
●腸のマッサージなどで、蠕動運動を促進する。
●リラックスして副交感神経を優位にする。
●冷えをなくし、内臓を温める。
などが考えられます。腸の動きが悪いなぁ…・と思い当たる方は、何か一つからでも実行して、
大切な腸の働きを取り戻しましょう